2008-10-01

ああ いいわねえ

私の人生にはもう「ああ、いいわねえ」がない

「ああ、いいわねえ」と思うことは、もう実行せねばならない

いつかはもうここにあって 遠くの憧れは永遠にやってこないことを知っている

もう待っている余裕はないのだ

さざめく心にあるものは、もうすべてさらけ出して攻めの姿勢を取るのだ

チェックリストにあるものをひとつずつ✓

あなたは言う「ああ、いいわねえ。あなたは!」

そうじゃない

私は、あなたのようにのんびり構えていられないことに気づいただけだ

私の「ああ、いいわねえ」は、もう私の手中で出番を待つだけ

そう 明日は出発の日

自分の人生をこの手で成功させるため

私の「ああ、いいわねえ」は、だんだん「そう、いいでしょう」に変わる

2008-09-20

空っぽの笑み



何もかも置いてきてしまったような気がして

大事なものを全部置いてきてしまったような気がして

私は こんな遠くで 空っぽになって佇んでいる

娘の声も 母の声も 届かないくらい地球の果てで

ぎこちないうそ笑いを浮かべて 

いったい何を楽しい振りしているんだろう


どこまで自分を騙せば気がすむんだろう








2008-09-12

背中

悲しくても悲しいと言わず

苦しくても苦しいと言わず

涙を眼の奥にぐっとしまって

凛として前を見て立ち

後ろを振り返らず

前を行く先達として

確かな背中を見せながら

私はどこまでも先を歩いていく

着いてくるあなたを信じたいから

あなたが私を見る時


ぎゅーっと雑巾を絞るように

心がしめつけられる

あなたの一言は 槍のように

胸をえぐって突き刺さる

あなたは何も感じない

いい気味だと思う

それだけ?

私が受けるべき制裁だという?

気がつかないまま良かれと思い

大事にしてきたあなた

あだとなって向きを変えるブーメラン

なんとか肩で息をして

あなたを見る

ようやくあなたが私を見る

睨む目

怒る目

蔑む目

嘲笑う目

あなたが私を見てる




2008-08-07

いらだち


荒れ狂う娘を前に立ち尽くす私がいて
飛んでくるものが当たらないように気が気じゃない
微妙に私をそれて飛んでくることに気がついて
でもやはりブラブラ揺れる電気のコードはちょっと怖い
私には当たらなくても私のコンピューターの画面に命中
ピシリ!傷がついた画面 動揺する私 あらら…と叫ぶ
次に出た水まき作戦は私のベッドルームを濡らす
逃げ込んだバスルームの窓からも水しぶきが入る
鍵をかけたトイレのドアは壊れるほど叩かれる
壊そうと思ってはいないのだろう ギリギリで止んだ
このひどく荒らされた混乱の部屋をそのままにしておこうか

主人は驚くはず 「誰がこの部屋に入った?何があった!」と


私と娘の二人だけになると突然起こるこの状態 

密室の葛藤 精神錯乱母子事件

誰かに言うべきか

電話が鳴った
主人からだ
「どうしたの?様子が変だね 何かあった?」
何を言うべきか 何を言わないべきか
誰かに助けを求めたい 「第三者」がいれば変わるはず
そう思いながらも何も言えない何も言えない
娘の非を連ねたら 娘を非難するだろうことは一目瞭然
娘を非難されたら一番嫌な思いをするのは私だ
私は被害者でありながら 加害者を守ろうとしている

娘の安寧な心を誰よりも願い すべて私の中で解決しなければならない
わかっているのに 娘の味方は私しかいないということを 
板挟みのなかでもがく 袋小路への道
あと2日しか一緒にいられないのに
どうしてこんな時にこんな状態を作り出すの
溜息もでない胸のつかえ 無言の慟哭がこだまする

ゲームだなんて言わないでよ 

私はいつだって本気 いつだって いつまでだって
ああ 娘よ 

ああ 私のかけがいのない命である娘よ

立ち尽くす母親を あなたはいつか鏡で見る




2008-07-21

すれちがい親子

無責任 
という言葉の中に自分を押し込めたら
身動きできなくなる

これだけ 日々 
思って思って思っても 思うだけでは
何も変わらない

でもどうやって
あなたに伝えたらいいのかわからない
ここにある思い

あなたは聞かない
うるさいなっ、もう切るよ! て言ってそれだけ
さっと交わす

強く言えば
強く言うほど もっと遠くに逃げようと
すり抜ける

学校からの連絡
遅刻、さぼり・・・ママの知らない処での
あなたの行動

何言ってんの?
だってさ親なんてやってないじゃん!
いつもいないじゃん!

ママがいけない!
ママがしてきたことが間違ってるんだよ!
勝手じゃない!

どっちに行っても
道がふさがっていて行き止まりの通路たち
淀んだ袋小路

いつだって
あなたとのことを苦しいほど考えているのに
どうして伝わらない

出ない電話に
いらいらして 胸がずずうっと重く苦しくなる
どこにいるの

知ってる?
こんなに心配して頭がおかしくなりそうな
ママの気持ち

ママが今を捨てて
あたたのもとに戻ったらあなたは幸せ?
ホントにそう思う?

ママの決断が
あなたの人生を決めてしまったって言う?
ひどいママって

でもそれだけじゃないよ
巣立ちのあなたがもがいているのは
私からだけじゃない

あなた自身なの
あなたが超えたい壁はあなたの中にある
見えてないだけ

過去には戻れない
来た道は振り返ると もう消えてしまっていてるのよ
前に進むしかない

見えない先へ
どうやってか どうやってかしながら もがいても 
なんとか歩くしかない

だからねえ
ちゃんと電話に出てよ  もっとたくさん話をしよう
いつだって待ってる

何が起きても
あなたより大事なものなんて存在しない
ずっと永遠に








2008-07-14

凪 束の間の永遠


生きていると ときに
凪のような時間に出会う
ほんの束の間でしかないのだが
永遠のように思えるじっと止まった安寧


普段の喧騒と悩み
てんてこ舞いの狂い舞い
消したいくらいヤヤコシイあれもこれも
フッと魔法にあったかのように見えなくなる


海が凪いでいる
そっとそっと静かにやさしく
みんなが別々の所にいてもちゃんとわかる
大丈夫だよって すべてオッケーだよって 聞こえる


こんな不思議な
エアーポケットみたいな時間
感じている自分が「ちょっと嘘じゃない?」
実はおとぎ話の夢の幻なのかもしれない


でもわかってる
この永遠みたいな凪は
またすぐに消えてしまうんだって
ああ あんな時があったねっていつか思う自分


だから今日の一日が
どんなに貴重でありがたく
どうして永遠みたいに長く感じるのか
そのわけがわかって ありがたくて 涙


束の間の永遠を 
ああ あなたに かんしゃ







2008-05-09

わかってもらいたいから

我慢しなさいよ。
我慢することが大事なんだからね。
母はそう言った。
私に足りないもの。
我慢すること。
ひたすらじっと耐えて我慢すること。

私はまたしても我慢せずに思いをぶつけてしまった。
思ったことを思った通りに。
これで終わりになるのかもしれないなんて考えもせずに。
自分の気持ちをわかってもらいたいという一心で。
訴えた。
心の奥底から。

それがいいか悪いかなんて判断が先に来るもんじゃない。
結果を予想しながら行動するなんて真似はできない。
そんな操作的ロボットなんかじゃない。
逆にいつも希望的感覚で前へ進んでいるんだから。
わかってもらえるだろうという期待で動いているんだから。
きっともっと分かり合えるだろうって信じたいんだから。

そんなんじゃないって?
我慢すべきだって?
世の中はそんな甘くないって?
また馬鹿なことをしでかしたって?
いつまでたっても学ばないって?
どうしてわからないんだって?

そうなの?
我慢すべきなの?
妥協して上っ面でわかった振りをするべきなの?
いやなことは目を瞑って見ない振りをするべきなの?
器の大きな振りして何でも大丈夫よって微笑んで?
それが人間の掟?

また入り込んだ迷路。
ぐるぐる回ってたくさん歩いてきてもここに来る。
いつも袋小路に溜まってる同じどろどろ。
懲りないヤツだなって笑えない。
私はこれしかできない。
こんなヤツだってわかってもらわないとあなたと一緒に先に進めない。

2008-02-05

根性VS冷蔵庫


今日は、午前中に冷蔵庫の修理の人が来るというので、朝から主人が家にいた。見知らぬ男性が来るので、私がひとりで対応したら危ないという理由からだ。

うちの冷蔵庫は去年も一度壊れて、ちゃんと冷えなくなり、修理を頼んだばかり。それなのに、また壊れた。何でこんなによく壊れるわけ?と少しイライラ。全体的に温度が高めになってしまって、冷凍庫のものは、みんな解凍し、もはや冷凍食品とは言えない状態。アイスクリームはドロドロクリームになり、うちの犬に特別デザートとして支給。冷凍濃縮オレンジジュースはいつものように3倍に薄めても変な味なので、流しにドバドバ。冷凍春巻きの皮はなんとか大丈夫そうだったから、昨夜の夕飯に登場させてオッケー。結構みんなに受けた。冷蔵庫は私にとってものすごく重要なものなのだ。この家の食事番としては本当に早く何とかして欲しい。

でもこれは、主人のケチ根性の格好の証明。
「ねえ、この冷蔵庫、買って何年になるの?」
と聞いたら
「えっと・・・17年だね。この家を建てたときからずっとあるから。」
私は、
「え、そうなの。すごい・・・」
と口ごもってしまった。そんなに古いんだ。もはや化石化してる気がする。17年経っててもまだ修理しようっていう考えが大したものだ。ただの根性じゃない。日本じゃ10年もしたら買い換えたりするんだけどね、と思った。 それとも、一日三食プラスお弁当をしっかり作る私の冷蔵庫使用頻度が、普通の人の数倍なのだろうか。
「明日、修理の人に来てもらうよう頼んだから大丈夫。24時間後には何の問題もなくなってるよ。よかったね。」
と主人が言うのを半分上の空で聞きながら、
私は、ああ、明日、修理の人来たら、「これはもうダメです。買い変えないといけないですよ」って言ってください・・・とひたすら念仏のごとく唱えていた。

午前中に修理の人は間違いなく来てくれた。対応は予定通り主人がし、私は2階にいた。15分もしないくらいで主人が2階の私のところにやって来た。
「ダーリン、終わったよ。もう帰ったから。」
と言う。
「え、もう直ったの?ずいぶん早いんじゃない?そんなに簡単に直っちゃったんだ。」
と聞くと
「いや、もうダメだってさ。完全に壊れちゃてて、全部品とっかえて直すくらいなら、新しいのを買ったほうが安いですよって言われた・・・」
それを聞いて、実に残念そうな顔をしながら、下を向いて、「よかった・・・!やったじゃーん!」とほくそ笑んだのだった。
台所のカウンターの上に置いてあった修理の紙。取替え部品の欄に「冷蔵庫そのものの取替え」と書いてあった。



2008-02-02

悔しい

すごく悔しい。
私がやってきた子育ては、私には誇れるものだと思っていた。私の選択で「いい」と思ったことをがんばって実行し、出来る限り一生懸命にしてきた。
息子は、立派に育っている。
大学卒業後の進路も、自分で努力して切り開き、希望のところに決まった。彼は、まるで出陣前の戦士みたいに、世の中に出ていくことを自分の勝負だと感じている。「よっしゃ、やってやるぞ。これからが本番だ。しっかりやって自分を試したい!」と希望とやる気に燃えてワクワクしている。

私は、子育ての究極の目的は、子供を社会に還元することだと思っていた。
子供時代は親と一緒に過ごし、その期間、親は子供を自分の所有物のようにかわいがったり大事にすることができるが、実はそれはつかの間の話で、いずれは子供は親の元を去り社会に羽ばたいていく。子供は、神様から一時的に自分たちの元に預かったものに過ぎないのかもしれない。だから、私は、子供が羽ばたく時に、しっかりと自分の足で立ち、自立して責任のある行動を取れるように、社会で信頼され人々の役に立ち、立派に活躍できるように、と子育てをしてきた。そして、息子は、自分の足で歩き始めようとしている。私は、息子を安心して見ていることができる。彼は、自分の力でしっかりと生きていける。どんな困難も乗り越えて、自分と自分の周りの人を幸せにしていくことができる。そんな確信がある。
息子の小さい頃、小学校時代、中学校時代、高校時代には、それぞれに葛藤があり、もがき苦しみ、立ち往生し、先が見えなくてどうしていいかわからなくなることもたくさんあった。母親ひとりで出来ることには限りがあったけれど、がんばってやってきたことが報われている気がする。
そういう意味では、私は自分のしてきた子育ての「趣旨」「方法」にそれなりに自信を持っていた。

「まったく、君の子供は自立し過ぎている。そりゃそうだろね、だって君がそういうふうにしようと意図して育ててきたんだから、その通りになってるんだよ。でも、それがいいとは思わないね。もうここまで来たら、今更直せないだろうけど。」
主人のイーサンの中にある「私のしてきた子育ては間違っている」という考え。
「マリーは、家族というものを知らないよ。家族よりも友達の方がいいと思ってるし、自分のしたいことを自分でどんどん決めてしまう。子供は親と一緒にいるべきなんだ。自分勝手にしたいことを決めるんじゃなくて、親の言うことを聞くべきなんだ。そうやって家族の中できちんと生きることが、将来きちんと家族を持って幸せに生きるために必要なんだ。マリーにそれが欠けていることがわからないのか。」
彼女の「親」とは私だ。「親の言うこと」とは、私の言うことだ。彼女にとって、主人の言うことは親の言うことににはならない。なぜなら主人は突然現れた継父に過ぎないのだから。
「確かにね。マリーが決めてることは、君が彼女にして欲しいと思ってることだよ。その通りになってるんだよ。親の言うことなんて聞かなくても、自分のしたいようにするってこと。それが君の子育てだ。君がそうやって生きてきたんだ。」
マリーも、私の子育ての「趣旨」に沿って私の「方法」で育てた。数年前まで何も迷うことなくそうしてきた。自分の意思をしっかり持ち、自分のしたいことをあくまで実行しようとする。「どうしていいかわからない・・・」とか「何もしたくない・・・」とか言うのではなく、「こうしたい!」とハッキリ言う。そう、それは、私がそうなるように意図して子育てした結果なのだろう。
でも、それは「いけないこと」になることもあり得るのだろうか。自分のしたいことと親の言うことが一致しない場合はどうなるか。自分の意思が強すぎて、親の言うことを聞けない場合はどうなるのか。

イーサンの子供たちは、親の言うことを実によく聞く。本当に高校生?と疑いたくなる。少し無謀な父親の意見に「ムッ」としながらも、結局はその通りにする。子供たちからの「嘆願」が出ても、「鶴」の一声でシュンとなる。それは、彼がそういう子育てをしてきたからだ。親の言うことは常に矛盾せず一貫していて「ダメと言ったらダメ」、親はいつも威厳を持っていて、絶対に服従が鉄則。家族で一緒に過ごす時間を大切にし、なるべく定期的に一緒に何かする時間を設ける。子供たちには「勉強、勉強!」とは言わない。うるさく言うのは寝る時間。睡眠は大事、寝不足だと何も集中できないんだと、就寝時間にだけはうるさい。子供たちはかなり成績がよく、スポーツもよく出来る。「まるで」理想のようだ。
そう・・・「まるで」ね。

何が正しいかなんてわからない。何が一番いいかなんてわからない。
「話し合いなんかじゃないよ、これは。君がこうしたい、って言ってるだけじゃない。僕の意見を聞きたいだなんて、違うよ。僕を説得しようとしてるだけだ。勝手にしたらいいよ。結局、君は自分のしたいようにするんだ。マリーにしたいようにさせるんだ。それがどういうことかもわからないで・・・。僕は、君とは違う意見だ。説得させようとするなよ。僕の意見はいつも同じ。納得はできないよ。ただ、君がそうしたいならさせてあげてもいいよ。マリーがしたいことを君がさせてやりたいなら、させればいいじゃない。君は何があろうとそうしたいんだ。ただ、僕は絶対にいいとは思わないっていうことだけ、覚えておいて。」
平行線の会話。とても後味が悪い。
「あなたとは会話が出来ないわ!話し合いにならない。」
「会話?今したじゃないか。一時間も。君のは話し合いじゃないんだ。この話はいくら話しても同じだよ。」

悔しい。すごく悔しい。
喧嘩でも喧嘩でもない話し合い。変な言い合い。だから、仲直りも何も・・・。
ああ、今日の夜は、コンサートに一緒に行く予定なのに。
ああ、悔しくって頭にくる。



2008-01-11

迷子

悲しみは、いつの間にか溜まっていて
ある時、堰を切ったように流れ出す。
前触れもなく、涙と共に流れ出す。
積み重なった時たちの中に私はいて
過去がどんどん増えていく。
私の中にある歴史はもう消せなくて
いくら新しい別の人生を歩こうと思っても
未来よりも過去を重たく背負ってしまう。
過去は、苦しくても辛くても光っていて
色あせた陽だまりの中に漂っている。
だから帰りたくって
私を証明する紛れもない過去に帰りたくって
あなたの元に帰りたくって途方にくれる。
今からどこに行けばいいのかわからない

こんなところで迷子になって
置いてきたものばかり探してる。







어모님 감사함니다

あなたがいなくなったこの世界が信じられない。
オモニ。
あなたは、今いったいどうしているのです。
天国から私を見て、そこでどうしているのです。
私を苦しめ続けて、私はここまで逃げてきたのに。
あなたがいなくなてしまったら、私は何から逃げいていたらいいのかわからない。
年末に、久しぶりに、本当に何年ぶりかにあなたの声を
聞いた。
病室からの国際電話。
息をハアハアさせながら「運命だと思って・・・運命だと思ってがんばってや・・・」と私に言った。
そうか、私の運命か。
あなたが病床にあってあと数日の命というのも、あなたの運命か。
「ありがとう」と私は言った。
それしか思い浮かばなかった。
何に対してありがとう?
死に行く者を前にして、私とあなたの過去を考え、私は何と言ったらいいのだ。
「がんばって」とは言えなかった。
苦しみの真っ只中にいるのに、これ以上頑張るなんて辛すぎる。
あなたに何と言ったらいいのだ。
「ありがとう」は、あなたが私にくれた辛い思い出、拷問の日々に対してだ。
あそこまで、私を追いつめてくれて・・・「ありがとう」。
決して忘れることができない過去を「ありがとう」。
そのお陰て私は今ここにいる。
こんなに強くなって、こんなに柔軟になって・・・。
私はあなたとの生活から、どんな状況にあっても生きることができる術を覚えたのだ。
もう、何年も会っていないのに、もう会うことはできなくなってしまった。
元夫が「もう焼かれて、骨だけになってしまったよ・・・」と静かに言った。
私の子供たちもその骨を拾い骨壷に納めたそうだ。
私の中のオモニは、決して骨ではなく、今もまだあの薄笑いを浮かべびっこを曳いて歩く姿。
センスの悪い派手な洋服に金のネックレスをブラブラさせて、強気で話す大阪訛りのしわがれ声。
私は・・・私は、とうとう地球の反対側までやってきて、上辺だけでも幸せに生きています。
「ありがとう、オモニ」
私は、あなた家の嫁でした。
至らないことばかりの嫁でした。
それは、決して消すことのできない事実です。
だから、あなたに言うのです。

감사함니다.