2007-09-21

小雨の夜長

いつの間にか夜になっていて、雨が降り出していたことさえ気が付かなかった。
静かにしとしとと外の世界は濡れていだんだ。
そういえば、トントントン…という規則正しい音が聞こえていた。
屋根から落ちる雨だれの音だったのだ、と今頃思う。
朝出した猫を家の中に入れようと思って玄関のドアを開けたのだけど、いくら呼んでも返事をしない。ふとこの暗い雨の中のどこかでさまよっている猫を思い、自分の姿を重ねた。
今夜は静かに過ぎていく。

まるで世の中から忘れられたような空間がここにある。